打点で押し切るのではなく、相手の残りHPを一定の値まで下げてしまう。アマージョexのワザはそういう変わった設計をしています。HPがどれだけ高い相手でも、1回で30まで削れるのです。倒しきる役割は別のカードに任せる前提になるため、デッキの組み方も普通のアタッカーとは変わってきます。ここでは公式のカードテキストを起点に、性能と組み方を整理しました。
この記事で分かること
- アマージョexの公式データと2つのワザ
- アイシクルソールがHPを無視して削る仕組み
- トロピカルキックの回復効果の使い方
- ベンチで攻撃を受けないという耐性
- デッキに入れるときの考え方
アマージョexの公式データ
まず数字を並べます。
基本の数値
進化段階は2進化、タイプは水、HPは310です。弱点は鋼で×2、抵抗力の記載はありません。逃げるためのエネルギーは無色2個ぶん必要です。カード番号は020、収録は拡張パック「古代の咆哮」になります。
ポケモンexなので、きぜつしたとき相手はサイドを2枚とります。HP310という高い数字でありながら、渡すサイドは2枚に収まる点が扱いやすいところでしょう。
進化ライン
公式のカードページで進化の並びを見ると、たねポケモンはアマカジ、1進化がアママイコです。アマカジからアママイコ、そしてアマージョexという2段階を踏みます。
2進化なので完成までに時間はかかります。進化を助けるカードの有無が、実戦での使いやすさを左右するでしょう。
水タイプなのに草エネルギー
カード上のタイプは水ですが、ワザのコストは草エネルギーで指定されています。弱点や抵抗力の計算はカードに書かれた水タイプで行い、エネルギーは草を用意する。この二段構えを覚えておくと混乱しません。
ベンチで攻撃を受けない耐性
カードには特別な記述が入っています。
公式テキスト
このポケモンは、ベンチにいるかぎり、ワザのダメージを受けないと書かれています。
育成中の安全性
2進化を完成させるまでの間、ベンチで狙われる心配が減ります。進化を絡めたデッキにとって、この耐性は準備の安定に直結するでしょう。
ベンチを削って盤面を崩す作戦が通じにくくなるため、相手からすれば攻めどころが限られる相手になります。
防げるのはワザのダメージだけ
守れるのはワザのダメージです。特性でダメカンをのせてくる効果や、ベンチのポケモンを呼び出す効果までは防げません。
呼び出されてバトル場に出れば、そこからは通常どおりダメージを受けます。過信せず、呼び出し系のカードへの備えは別に用意しておきましょう。
ワザ1 アイシクルソール

このカードの個性が集約されたワザです。
公式テキスト
コストは草エネルギー1個。効果は「相手のポケモン1匹に、そのポケモンの残りHPが「30」になるように、ダメカンをのせる」というものです。
HPに関係なく30まで削る
相手のHPが200でも340でも、このワザを使えば残り30です。打点という概念そのものを飛び越える効果だと言えるでしょう。
エネルギー1個で撃てるため、進化したその番から使える点も見逃せません。
対象はベンチも選べる
テキストは「相手のポケモン1匹」と書かれています。公式のFAQでは、この表現について相手のポケモンであればバトル場にかぎらずベンチのポケモンも選べるという意味だと説明されています。
つまり育成中の相手を、あらかじめ残り30まで削っておけるわけです。
倒しきりは別のカードに任せる
残り30にはできても、倒すことはできません。次の番に別のアタッカーで30を与えるか、ダメカンをのせる効果でとどめを刺すという組み立てが必要です。
この分担を前提にデッキを組まないと、削るだけで終わってしまうでしょう。
ワザ2 トロピカルキック
もう一つの選択肢です。
公式テキスト
コストは草エネルギー2個、威力は180。効果は「このポケモンのHPを「30」回復し、特殊状態もすべて回復する」というものです。
攻撃しながら回復する
180を与えつつ、自分のHPを30戻します。HP310に加えて毎ターン30が回復すれば、相手は実質340以上を削り続ける必要があります。
特殊状態も同時に回復するため、どく や やけど といった継続ダメージを抱えたまま戦う状況を避けられます。
2つのワザの使い分け
倒したい相手のHPが180以下なら、トロピカルキックで直接倒せます。180を超えるなら、アイシクルソールで残り30にしてから次の番に処理する形でしょう。
攻撃前に相手のHPを確認する習慣をつければ、選択で迷う時間が減ります。
番ごとの動かし方
実際の流れを組み立てます。
1番目の番
アマカジを複数ベンチに並べます。進化ラインの本数が完成の確実性を決めるため、序盤の展開は最優先でしょう。
ベンチにいるかぎりワザのダメージを受けない耐性があるため、育成中に崩される心配は少なくて済みます。
2番目から3番目の番
アママイコを経由するか、進化を飛ばすカードで一気に2進化まで進めます。草エネルギーを1個つけておけば、進化したその番からアイシクルソールが撃てる計算です。
4番目以降の番
相手のHPを見て、2つのワザを使い分けます。アイシクルソールで残り30にした相手を、次の番にどう処理するかを先に決めておいてください。
終盤の詰め方
相手のサイドが残り少なくなったら、あと何回攻撃すれば勝てるかを逆算します。アイシクルソールで削った相手が残っているなら、そこを倒す手段を優先して確保しましょう。
倒しきる手段を用意する
このデッキの設計上、最も重要な部分です。
30を与える方法
残り30の相手を倒すには、30以上のダメージが必要です。どんな小さい打点でも足りるため、選択肢は広く取れます。
ベンチにも届くワザ、ダメカンをのせる効果、少ないエネルギーで撃てるワザ。いずれもこのデッキでは価値が高いでしょう。
アマージョex自身で倒す
トロピカルキックの180でも当然倒せます。ただし2番かかるため、その間に相手が回復したり入れ替えたりする余地を与えます。
呼び出しとの組み合わせ
ベンチにいる相手をアイシクルソールで削り、次の番に呼び出して倒す。この流れが決まれば、相手の主力を確実に処理できるはずです。
相手の回復への警戒
残り30にしても、相手が回復すれば元に戻ります。削った番のうちに倒しきれる体制を整えておくほうが確実でしょう。
相手のデッキ別の方針

同じ構築でも、相手によって狙いは変わります。
高耐久の相手
アイシクルソールが最も輝く相手です。HPが340あろうと、エネルギー1個で残り30まで削れます。打点で殴り合うデッキが苦戦する相手ほど、このカードの価値は上がるでしょう。
進化を軸にする相手
育成中のベンチを削っておけば、完成した瞬間に倒せる状態を作れます。相手が時間をかけて育てたポケモンを、1回の攻撃で無力化する形です。
展開が速い相手
こちらの準備が間に合わない可能性が高い相手です。バトル場に時間を稼げるポケモンを置き、その裏で進化を進める形が現実的でしょう。
鋼タイプが主軸の相手
最も厳しい相手です。155で倒されるため、殴り合いでは分が悪くなります。別タイプのアタッカーを混ぜ、無理にアマージョexを差し出さない判断が必要でしょう。
削ってから倒すという設計
このデッキの本質を理解しておきます。
2番かけて1匹倒す
アイシクルソールで削り、次の番に倒す。この2番で1匹という速度は、直接倒すデッキより遅い計算です。
その遅さを補うのが、ベンチにも届く点でしょう。削る対象を先に選べるため、相手の主力を狙い撃ちできます。
同時に2匹を狙う
アイシクルソールでベンチを削り、トロピカルキックでバトル場を倒す。この使い分けができれば、2匹を同時に処理へ向かわせられます。
とどめ役の条件
必要なのは30以上の打点だけです。エネルギーが少なくて済むワザ、ベンチにも届くワザ、ダメカンをのせる効果。どれもこのデッキでは主役級の働きをします。
相手に読まれたとき
削った相手を下げられたり回復されたりすれば、計画は崩れます。複数の相手を並行して削っておけば、1つ潰されても別の道が残ります。
弱点と苦手な相手
穴も整理しておきます。
鋼タイプへの弱点
弱点が鋼で×2なので、鋼タイプのワザなら155ダメージで倒されます。HP310という高い数字も、弱点計算が入れば半分で済んでしまう計算です。
鋼デッキが多い環境では、場に出す枚数を絞る判断も必要でしょう。
展開が速い相手
2進化を完成させるまでに時間がかかるため、速攻を仕掛けてくる相手とは相性が良くありません。準備が整う前に押し切られる展開が、最も苦しい負け方でしょう。
回復してくる相手
アイシクルソールで削っても、回復されれば戻ります。削ってから倒すまでの間に、相手が対処する余地を与えてしまう構造は理解しておいてください。
呼び出しを持つ相手
ベンチでの耐性は、呼び出されれば意味を持ちません。前に出された瞬間から通常どおりダメージを受けます。
デッキの組み立て方
構築を始めるときの出発点です。
進化ラインの枚数
アマカジを3枚から4枚、アママイコとアマージョexをそれぞれ2枚から3枚を目安に考えてみてください。2進化を安定させるには、進化を飛ばせるカードも厚めに積みたいところです。
エネルギーの構成
アイシクルソールは草1個、トロピカルキックは草2個です。基本草エネルギーを主軸に、10枚前後から調整を始めてみてください。
とどめ役の確保
30を与えられるアタッカーを必ず用意します。アイシクルソールを撃った次の番に何もできないなら、このデッキは機能しません。
呼び出し手段
ベンチを削った相手を引きずり出せると、勝ち筋が明確です。数枚は確保しておきたいところ。
練習で確かめる3つの数字
記録を残すと改善点が見つかります。
何番目に完成したか
10回まわして、平均で何番目にアマージョexが立ったかを数えます。4番目を超えているなら、進化を助けるカードか展開手段が足りていないでしょう。
削った相手を倒せた回数
アイシクルソールを撃った次の番に、その相手を倒せたかを記録します。倒せていない試合が多いなら、とどめ役の枚数か呼び出し手段を見直す余地があります。
ワザの選択比率
アイシクルソールとトロピカルキックを何回ずつ選んだかを数えます。片方に極端に偏っているなら、相手の傾向か構築に原因があるはずです。
記録の読み方
3つの数字は連動しています。完成が早ければ削る回数が増え、その結果として倒せる機会も増えるという関係です。どれか1つが低いなら、そこが全体の足を引っ張っています。
2進化デッキを回すための基礎
このデッキに限らず共通する考え方です。
進化できない番を作らない
公式の案内では、場に出たばかりのポケモンや進化したばかりのポケモンは、その番には進化できないと説明されています。次の番から進化できるようになる仕組みです。
つまりアマカジを出した番にアママイコへは進化できません。たねを早く並べることが、そのまま完成時期を早めます。
進化を飛ばすカードの価値
たねから2進化へ直接進化させられるカードがあれば、この待ち時間を短縮できます。2進化を軸にするデッキでは、採用がほぼ前提になるでしょう。
山札を掘る力
必要なカードを引けなければ、進化は止まります。山札を大きく引くサポートやグッズも確保しておいてください。
大会に持ち込む前の確認
準備の最終段階です。
レギュレーションの確認
スタンダードで使えるのは、カード左下のマークにH・I・Jと書かれたカードで、この範囲は2026年1月23日から適用されています。拡張パック「古代の咆哮」は発売から時間が経っているため、手元のカードの左下を必ず確認してください。
対象外だった場合、エクストラレギュレーションはBWシリーズから最新のカードまでが対象なので、そちらでは使えます。
枚数の確認
デッキはちょうど60枚、同じ名前のカードは4枚までという基本ルールを守ります。基本エネルギーは枚数制限の対象外です。
練習で数えること
アイシクルソールで削った相手を、次の番に倒せた回数を記録してみてください。倒せていない試合が多いなら、とどめ役が足りていない証拠でしょう。
エクストラで使う場合
スタンダードの対象外だった場合の選択肢です。
使える範囲
エクストラレギュレーションはBWシリーズから最新のカードまでが対象です。古代の咆哮はスカーレット&バイオレットシリーズの商品なので、この範囲に含まれます。
公式が案内しているエクストラの使用禁止カード一覧も、あわせて確認してください。昔のレシピをそのまま持ち込むと、禁止カードや枚数制限に引っかかる場合があります。
独自の制限ルール
エクストラでは、サポートの「アララギ博士」と「プラターヌ博士」と「博士の研究」が、枚数にかかわらず1つのデッキに1種類しか入れられません。「フラダリ」と「ボスの指令」も同様です。
対戦機会の探し方
エクストラを扱うイベントは、公式のイベント検索や店舗の告知で見つかります。開催頻度はスタンダードほど多くないため、事前に調べてから予定を立ててください。
集めるときの視点
購入前に確認したい点です。
収録商品と絵柄
拡張パック「古代の咆哮」に収録されています。同じカード名でも通常の絵柄と特別な絵柄では相場が離れるため、購入前に商品画像とカード番号を確かめてください。
版の違いに注意
アマージョには複数の版が存在します。アマージョex、アマージョGX、かがやくアマージョ、通常のアマージョ。通販で探すときはカード番号と収録商品名まで見て、欲しい1枚を特定してください。
価格の調べ方
1店舗だけを見て決めるのは避けたいところ。複数のショップの販売価格を並べ、極端な値を外して中央あたりを相場と考えます。買取価格も一緒に見ると、実際の需要が読み取れるでしょう。
よくある質問
アイシクルソールはベンチのポケモンも選べますか
選べます。公式のFAQでは、相手のポケモン1匹という表現について、バトル場にかぎらずベンチのポケモンも選べる意味だと説明されています。
残りHPが30より少ない相手にはどうなりますか
テキストは残りHPが30になるようにダメカンをのせる効果です。すでに30以下の相手に対してどう処理するかは、公式のQ&A検索で該当する裁定を確認するのが確実でしょう。
トロピカルキックの回復は毎回発生しますか
ワザを使うたびに30回復し、特殊状態も回復します。HPが満タンの場合は回復分が無駄になりますが、特殊状態の回復は働きます。
ベンチでの耐性は特性ですか
特性の欄ではなく、カードに記された特別な性質として書かれています。テラスタルを持つポケモンに共通する記述です。相手の特性を無効化する効果の対象になるかどうかは、個別の裁定を確認してください。
水タイプなのに草エネルギーを使うのはなぜですか
テラスタルは元のタイプとは違うタイプで登場する特徴を持っています。カード上のタイプは水ですが、ワザのコストは草で指定されているのです。弱点計算では水として扱い、エネルギーは草を用意してください。
初心者でも扱えるデッキですか
2進化を揃える必要があるうえ、倒しきり役を別に用意する設計です。判断の場面が多いため、対戦にある程度慣れてから触るほうが良さが分かるでしょう。
アマージョexという設計の面白さ
HPに関係なく残り30まで削るという効果は、打点の大小を無意味にします。相手がどれだけ高いHPを持っていても、エネルギー1個で射程に入れられるわけです。
一方で倒しきることはできません。削る役と倒す役を分ける前提で組まないと、このカードは機能しないという制約があります。この分担を設計できるかどうかが、デッキの完成度を決めるでしょう。
ベンチでワザのダメージを受けない耐性は、2進化を育てる時間を守ってくれます。トロピカルキックの回復も含めて、長い試合を戦い抜くための要素が揃っている構成です。まずはアイシクルソールで削った相手を、次の番に確実に倒す練習から始めてみてください。
