ザシアンでデッキを組みたいと考えたとき、最初にぶつかるのがブレイブスラッシュの制約でしょう。240という高い打点を持ちながら、使った次の番は同じワザが撃てません。この一点をどう埋めるかで、デッキの形はまったく変わります。攻撃できない番を別のアタッカーでつなぐか、ワザを使い分けるかを決めておくと構築がぶれません。幸いなことに、同じ拡張パックには噛み合う補助カードが揃っていました。ここでは公式のカードテキストを起点に、骨組みと補い方を順番に組み立てていきます。

この記事で分かること

  • ホップのザシアンexの公式データと2つのワザ
  • ブレイブスラッシュの制約を埋める考え方
  • こだわりハチマキが変える打点とコスト
  • ベンチ展開と呼び出しを担うカード
  • 弱点への備えと採用枚数の目安

ホップのザシアンexの性能

軸になるカードから確認します。

基本の数値

進化段階はたね、タイプは鋼、HPは230です。弱点は炎で×2、抵抗力は草で-30、逃げるためのエネルギーは無色2個ぶん必要です。カード番号は069、収録は拡張パック「バトルパートナーズ」です。

ポケモンexなので、きぜつしたとき相手はサイドを2枚とります。たねポケモンとして手札から直接ベンチに置ける点は、立ち上がりの速さにつながるでしょう。

ワザ1 せつなぎり

コストは無色エネルギー1個、威力は30。効果は「相手のベンチポケモン1匹にも、30ダメージ」というものです。角括弧の中には、ベンチは弱点・抵抗力を計算しないという注記が入ります。

エネルギー1個で撃てるため、準備の途中から攻撃を始められます。ベンチに30を置いておく動きは、後で本命のワザを撃つときの下ごしらえになるでしょう。

ワザ2 ブレイブスラッシュ

コストは鋼エネルギー3個と無色エネルギー1個の計4個、威力は240です。そして「次の自分の番、このポケモンは『ブレイブスラッシュ』が使えない」という制約が付きます。

240という数字は、多くのポケモンexを1発で倒せる水準です。ただし連続では使えないため、次の番に何をするかを先に決めておく必要があります。

抵抗力マイナス30の価値

抵抗力が草で-30と設定されています。草タイプのワザを受けるとき、ダメージが30減る計算です。この数字は地味ですが、耐えるか倒れるかの境目で効いてくる場面があるでしょう。

ブレイブスラッシュの制約をどう埋めるか

デッキ設計の中心はここです。

撃てない番に何をするか

選択肢は大きく3つあります。1つ目は別のアタッカーで攻撃する方法。2つ目は2匹目のザシアンexを用意しておく方法。3つ目はせつなぎりで削りながら1番待つ方法です。

どれを選ぶかで、デッキに入れるカードの構成が変わります。複数を併用する形も可能でしょう。

別のアタッカーを立てる

240を撃った次の番だけ働くポケモンがいれば、攻撃の流れは止まりません。エネルギーの色が合っていれば、付け替えの手間も省けます。無色エネルギーで動けるポケモンなら、鋼の構成を崩さずに済むはずです。

2匹目を用意する

同じザシアンexをもう1匹立てておけば、交互に殴り続けられます。ただしエネルギーを2匹分揃える必要があるため、加速手段が欠かせません。逃げるコストも2個かかるので、入れ替え用のカードも合わせて考えたいところ。

せつなぎりで繋ぐ

エネルギー1個で撃てるせつなぎりは、待ちの番に使える攻撃です。相手のベンチにも30が入るため、次に倒したいポケモンをあらかじめ削っておけます。何もしないよりは確実に前進する選択でしょう。

ホップのこだわりハチマキが変えるもの

鋼エネルギーとどうぐを並べた戦略盤面

同じ拡張パックに、このデッキの前提を書き換える道具が収録されています。

効果の全文

ポケモンのどうぐで、カード番号は092。効果は次のとおりです。このカードをつけている「ホップのポケモン」は、ワザを使うためのエネルギーが無色エネルギー1個ぶん少なくなる。そしてそのポケモンが使うワザの、相手のバトルポケモンへのダメージは「+30」される。

ポケモンのどうぐは自分の番に何枚でもつけられますが、ポケモン1匹につき1枚だけという制限があります。

ブレイブスラッシュへの影響

コストが無色1個ぶん軽くなるので、鋼エネルギー3個だけで撃てる計算です。必要な枚数が4個から3個に減る差は小さくありません。1番早く攻撃態勢に入れる可能性が生まれます。

ダメージも「+30」されるため、240が270まで伸びます。この数字ならHP270までのポケモンを1発で倒せる計算です。

せつなぎりへの影響

コストが無色1個なので、ハチマキをつければエネルギーなしで撃てる形です。バトル場へのダメージは30から60へ増えます。

ただし追加分はバトルポケモンへのダメージが対象です。ベンチへの30は増えない点を確認しておいてください。

つけるタイミング

早くつけるほど恩恵は大きくなりますが、そのポケモンが倒されると道具も一緒に失われます。エネルギーが揃う見込みが立ってからつける判断もあるでしょう。手札に何枚残っているかを見ながら決めてください。

ベンチ展開を支えるカード

たねポケモンを素早く並べる手段があると、立ち上がりが安定します。

ホップのバッグ

グッズで、カード番号は091。効果は「自分の山札からたねポケモンの『ホップのポケモン』を2枚まで選び、ベンチに出す。そして山札を切る」というものです。

山札から直接ベンチに出せるため、手札に頼らず盤面を作れます。ザシアンexを含むたねポケモンをまとめて並べられる点が大きいでしょう。グッズなので、自分の番に何枚でも使えます。

展開が早いことの意味

ザシアンexは2匹目3匹目を立てる価値が高いカードです。ブレイブスラッシュの制約を交代でしのぐ構成なら、なおさら数が要ります。バッグで一気に並べられれば、その計画が成立しやすくなるでしょう。

並べすぎるリスク

ベンチにポケモンを多く置くと、ベンチを狙うワザの的が増えます。せつなぎりのように、ベンチへダメージを与える手段は相手も持っているかもしれません。必要な数だけ並べる判断も時には要ります。

相手のベンチを引きずり出す

倒したいポケモンがベンチにいるとき、呼び出す手段が必要です。

ホップのバイウールー

1進化のポケモンで、カード番号は086。タイプは無色、HPは120、弱点は闘で×2、逃げるためのエネルギーは無色2個ぶんです。ホップのウールーから進化します。

特性チャレンジホーンの効果は次のとおりです。自分の番に、このカードを手札から出して進化させたとき、1回使える。相手のベンチポケモンを1匹選び、バトルポケモンと入れ替える。

呼び出しと高打点の組み合わせ

相手の育成中のポケモンをバトル場に引き出し、ブレイブスラッシュで倒す。この流れが決まれば、相手の計画は大きく狂います。特性は進化したときに1回だけなので、複数枚用意しておくと使える回数が増えるでしょう。

ワザのずつきは無色3個で80です。攻撃役として期待する数字ではありませんが、いざというときの選択肢にはなります。

サイドの残り枚数を利用する攻め

条件付きで大きな打点を出すカードもあります。

ホップのウッウ

たねポケモンで、カード番号は087。タイプは無色、HPは110、弱点は雷で×2、抵抗力は闘で-30、逃げるためのエネルギーは無色1個です。

ワザのきまぐれスピットは、コストが無色エネルギー1個で威力は120。ただし「相手のサイドの残り枚数が4枚・3枚でないなら、このワザは失敗」という条件が付きます。

条件が揃うタイミング

相手のサイドが4枚か3枚という状況は、ザシアンexで1回か2回攻撃を通した後にあたります。ブレイブスラッシュを撃った次の番、ちょうど条件を満たしている場面が生まれるわけです。

こだわりハチマキをつければ、エネルギーなしで150ダメージという計算です。HP110のたねポケモンがこの打点を出せるのは、条件付きゆえの性能でしょう。

外れたときの備え

条件を満たさない場合、ワザは失敗します。サイドの枚数を数え間違えると、番を無駄にする結果になるでしょう。攻撃する前に、必ず相手のサイドを確認する習慣をつけてください。

弱点と苦手な相手

攻撃役を交代するカードゲームの対戦場面

強い型にも必ず穴があります。

炎タイプへの弱点

弱点が炎で×2なので、炎タイプのワザなら115ダメージで倒されます。HP230という数字は、弱点計算が入ると心もとない水準でしょう。炎デッキが多い環境では、ザシアンexを場に出す枚数を絞る判断も必要です。

高打点デッキとの相性

1回の攻撃で230以上を出してくる相手とは、殴り合いが不利になりがちです。ブレイブスラッシュが連続で撃てない以上、こちらの攻撃回数は相手より少なくなります。呼び出しで相手の準備を崩し、テンポで勝つ方向に寄せたいところ。

道具を外されたとき

こだわりハチマキに依存した打点設計だと、道具を外すカードで計算が崩れます。ハチマキなしでも240は出る点を思い出し、届く相手を選び直す判断が要るでしょう。

採用枚数の目安

構築を始めるときの出発点を示します。

主軸のカード

ホップのザシアンexは、交代で使う前提なら3枚前後を検討する価値があります。1枚では制約を埋められず、4枚だと手札で重なる場面が出るでしょう。

こだわりハチマキは打点とコストの両方に効くため、多めに入れる意味があります。ただし道具の枠を他のカードと争う点は意識してください。

補助のカード

ホップのバッグは展開の速度を決めるカードなので、厚めに入れる構成が自然でしょう。バイウールーは進化ラインを揃える必要があるため、ウールーとセットで枚数を考えます。

ウッウは条件付きなので、1枚から2枚に抑えるのが無難です。腐る場面もある以上、多投は避けたいところ。

エネルギーの枚数

鋼エネルギー3個で撃てる想定なら、基本鋼エネルギーは10枚前後から調整を始めてみてください。実際に回してみて、3個が揃わない番が多いようなら増やす判断です。

大会に持ち込む前の確認

準備の最終段階です。

レギュレーションの確認

スタンダードで使えるのは、カード左下のマークにH・I・Jと書かれたカードです。この範囲は2026年1月23日から適用されています。同じカード名でも収録商品によってマークが違うため、現物で確認してください。

枚数の確認

デッキはちょうど60枚、同じ名前のカードは4枚までという基本ルールを守ります。基本エネルギーは枚数制限の対象外です。数え直しは家で済ませておきましょう。

練習で確かめること

ブレイブスラッシュを撃った次の番に何ができたか。この一点を記録しながら回してみてください。毎回何もできていないなら、補助のカードが足りていない証拠でしょう。

番ごとの動きを組み立てる

構築が決まったら、実際の対戦での順番を頭に入れておきます。

1番目の番

たねポケモンを並べる段階です。ザシアンexを置きつつ、ホップのバッグが手札にあれば使って盤面を厚くします。山札から直接ベンチに出せるため、手札の消費を抑えながら展開できるでしょう。

この段階でこだわりハチマキをつけるかどうかは、相手の出方を見て決めます。早くつければ次の番から恩恵を受けられますが、狙われたときに一緒に失う点は覚えておいてください。

2番目の番

鋼エネルギーを付けながら、せつなぎりで削り始めます。エネルギー1個で撃てるので、準備と攻撃を同時に進められる形です。ベンチにも30が入るため、後で倒したいポケモンを選んで置いておきましょう。

ハチマキがついていれば、この時点でバトル場に60が入ります。小さい数字に見えても、3回積み重なれば180になる計算です。

3番目以降の番

鋼エネルギーが3個そろえば、ハチマキ込みでブレイブスラッシュが撃てます。270という打点で相手の主力を落とし、サイドを2枚進めましょう。

そして次の番は同じワザが使えません。ここで何をするかを、この時点で決めておいてください。2匹目のザシアンexに切り替えるのか、ウッウで殴るのか、せつなぎりで待つのか。選択肢を並べて、盤面に合うものを選びます。

終盤の詰め方

サイドが残り2枚を切ったら、あと何回攻撃すれば勝てるかを逆算します。バイウールーの特性で相手のベンチを引きずり出せば、倒す順番を自分で決められるでしょう。相手の準備が整う前に決着をつける動きが理想です。

相手のデッキ別に考える

同じ構築でも、相手によって狙いを変える必要があります。

進化デッキが相手のとき

バイウールーの特性で、育成中のポケモンをバトル場に引き出す動きが刺さります。進化前の段階で倒せれば、相手が失うサイドは1枚でも、計画そのものが崩れるでしょう。ベンチを見て、止めるべき1匹を選んでください。

たねポケモン中心のデッキが相手のとき

呼び出しても得が小さい場合があります。この場合は素直に打点で押し切る方針に切り替えましょう。せつなぎりのベンチダメージを重ねて、2匹をまとめて射程に入れる動きも有効です。

高耐久のデッキが相手のとき

270で届かないポケモンが出てくると、攻撃回数が足りません。せつなぎりで先に削っておき、2回に分けて倒す計画を立ててください。ベンチにいるうちから30ずつ入れておけば、バトル場に出てきたときの必要打点が下がります。

トレーナーのポケモンという枠組み

このデッキを理解するうえで、カード名の付き方に触れておきます。

名前に人物名が入るカード

バトルパートナーズには、名前の前にトレーナーの名前が付いたポケモンが収録されています。ホップのザシアンexもその一つです。同じトレーナーの名前を持つカード同士で参照し合う設計になっています。

こだわりバッグやハチマキが「ホップのポケモン」を対象にしているのは、この仕組みがあるからでしょう。名前が一致していなければ効果は働きません。

デッキを組むときの注意

見た目が似ていても、名前に「ホップの」が付いていないポケモンは対象外です。カードを選ぶときは、名前を最後まで読んでください。似た名前のカードが並ぶと、思わぬ見落としが起きます。

他の人物のカードとの併用

別のトレーナーの名前が付いたカードを混ぜること自体は可能です。ただし補助カードの恩恵が受けられないため、デッキとしての一体感は薄れるでしょう。混ぜるなら、その分の見返りがあるかを検討してください。

練習で確かめておきたい数字

紙の上の計算と、実際の手触りは違います。

何番目にブレイブスラッシュが撃てたか

10回まわして、平均で何番目に4個ぶんのエネルギーが揃ったかを記録します。ハチマキがあれば3個で済むため、その差も合わせて見ておきたいところ。想定より遅いなら、エネルギーの枚数や加速手段を見直す材料です。

撃てない番の内訳

ブレイブスラッシュを撃った次の番に何をしたか、回数を数えてみてください。何もできなかった回が多いなら、補助のアタッカーが足りていません。ウッウの条件を満たせた回数も一緒に記録しておくと、採用枚数の判断材料です。

事故の頻度

ザシアンexが手札に来ない、エネルギーが引けない、バッグが引けない。この3つの事故がそれぞれ何回起きたかを数えます。特定の事故が目立つなら、そこを補うカードを足す判断ができるでしょう。

よくある質問

ザシアンのカードは他にもありますか

過去のシリーズにもザシアンを扱ったカードは存在します。ただしレギュレーションによって使える範囲が変わるため、スタンダードで使いたいなら現行のカードを選ぶ必要があるでしょう。エクストラであれば、古いカードも選択肢に入ります。

ブレイブスラッシュは別のザシアンexなら使えますか

制約は「このポケモン」に対して書かれています。別の個体であれば、同じ番でも使える解釈です。だからこそ複数枚を並べる構成が機能するわけです。

こだわりハチマキは他のポケモンにもつけられますか

つけること自体はできますが、効果が働くのは「ホップのポケモン」に限られます。名前に「ホップの」と付いていないポケモンにつけても、コスト軽減とダメージ増加は得られません。

せつなぎりのベンチへのダメージも増えますか

増えません。こだわりハチマキの効果は、相手のバトルポケモンへのダメージが対象と書かれています。ベンチへの30はそのままです。

初心者でも組めるデッキですか

たねポケモンが中心なので、進化を重ねるデッキよりは扱いやすい部類でしょう。ただしブレイブスラッシュの制約を管理する必要があるため、番ごとの計画を立てる練習にはなります。まず基本の形で回してみて、慣れてから調整するのがおすすめです。

予算はどのくらいかかりますか

主軸となるカードの枚数によって変わります。単品で必要な枚数を揃える方法と、パックを開けて狙う方法では総額の見通しが違うでしょう。まず必要なカードを書き出し、複数のショップの販売価格を並べて比べてみてください。買取価格も一緒に見ておくと、そのカードの需要が読み取れます。

バイウールーは何枚入れるべきですか

進化ラインを揃える必要があるため、ウールーとセットで枚数を考えます。特性は1匹につき1回なので、複数枚あれば呼び出しの回数が増える計算です。まず2枚ずつから試し、使えなかった回数を見て調整するとよいでしょう。

鋼エネルギーは何枚が目安ですか

ハチマキ込みで3個そろえる想定なら、10枚前後から始めてみてください。回してみて足りないと感じたら増やします。逆に手札で余るようなら減らし、その枠を山札を引くカードに回す判断もあります。

ホップのザシアンexを軸にする意味

このデッキの核心は、240という高打点と、それを連続で撃てないという制約の組み合わせにあります。制約があるからこそ、撃てない番を埋めるカード選びに個性が出るのです。

こだわりハチマキでコストを下げて打点を上げ、バッグで盤面を作り、バイウールーで相手を引きずり出す。そしてサイドが減った局面ではウッウが条件を満たす。バトルパートナーズに収録されたカード同士が、無駄なく噛み合う設計になっています。

まずは基本の形で何度か回し、ブレイブスラッシュを撃った次の番に何ができるかを記録してみてください。そこが埋まれば、このデッキは安定して動き始めます。