ポケモンカードでは、自分のポケモンが傷つくことは基本的に損です。ところがパンプジンexは、その常識を逆手に取ります。自分のベンチにダメカンがのっているほど、ワザの威力が跳ね上がる設計になっているのです。普通なら避けたい状況を、意図的に作りにいく。この発想の転換が、このカードを扱ううえで最初に理解すべき点でしょう。ここでは公式のカードテキストを起点に、性能と組み方を整理しました。

この記事で分かること

  • パンプジンexの公式データと2つのワザ
  • ホラーロンドの打点が伸びる条件
  • 自分のベンチを傷つける手段の考え方
  • ゴーストタッチとの使い分け
  • 弱点への備えと採用枚数の目安

パンプジンexの公式データ

まず数字を並べます。

基本の数値

進化段階は1進化、タイプは超、HPは270です。弱点は悪で×2、抵抗力は闘で-30、逃げるためのエネルギーは無色2個ぶん必要です。カード番号は041、収録は拡張パック「ニンジャスピナー」になります。

ポケモンexなので、きぜつしたとき相手はサイドを2枚とります。

進化元はバケッチャ

公式のカードページで進化の並びを見ると、たねポケモンはバケッチャです。そこから1進化として、パンプジンと横並びの位置にパンプジンexが置かれています。

つまりパンプジンexはパンプジンから進化するのではなく、バケッチャから直接進化する1進化カードです。たねから1段階で完成するため、立ち上がりは速い部類でしょう。

ワザ1 ホラーロンド

このカードの個性が集約されたワザです。

公式テキスト

コストは超エネルギー1個、威力は30+。効果は「ダメカンがのっている自分のベンチポケモンの数×50ダメージ追加」というものです。

打点の早見

条件を満たすベンチポケモンが1匹なら80、2匹で130、3匹で180、4匹で230、5匹で280という計算です。ベンチが埋まっていて全員にダメカンがのっていれば、エネルギー1個で280が出るわけです。

エネルギー1個でこの数字に届くカードは多くありません。それだけ条件が特殊だということでもあります。

数えるのはダメカンの有無だけ

テキストは「ダメカンがのっている」としか書いていません。1個のっていても10個のっていても、同じ1匹として数えます。深く傷つける必要はなく、10ダメージぶんのダメカンが1個あれば条件を満たす計算です。

この点が、後述する自傷手段を選ぶときの基準です。

バトル場のパンプジンex自身は数えない

数えるのはベンチポケモンだけです。自分がどれだけ傷ついていても、その分は打点に加わりません。前に出ているポケモンではなく、控えの状態を見るワザだと覚えてください。

ワザ2 ゴーストタッチ

ベンチのダメカンと打点の関係を表す戦略図

条件を満たせない場面のための、もう一つの選択肢です。

公式テキスト

コストは超エネルギー2個、威力は140。効果は「相手の手札からオモテを見ないで1枚選び、トラッシュする」というものです。

安定した打点と妨害

140という数字は条件なしで出せます。ホラーロンドの条件が整っていない序盤や、ベンチを傷つけたくない場面で選ぶことになるでしょう。

加えて相手の手札を1枚落とせます。中身を見ないで選ぶため狙い撃ちはできませんが、手札が細っている相手には効きます。

2つのワザの使い分け

ベンチにダメカンがのっている数を数え、ホラーロンドが140を超えるならそちらを選びます。3匹以上に条件が揃っていれば180以上なので、迷わずホラーロンドでしょう。

条件が2匹以下ならゴーストタッチのほうが大きい数字です。攻撃前に必ずベンチを数える習慣をつけてください。

自分のベンチを傷つける手段

ホラーロンドを主軸にするなら、ここが構築の中心です。

ダメカンを自分にのせる効果

自分のポケモンにダメカンをのせる効果を持つカードがあれば、条件を能動的に作れます。1個のせるだけで条件を満たすため、少量で済む点が扱いやすいところでしょう。

相手の攻撃を利用する

相手がベンチを狙うワザを使ってきた場合、それがそのまま条件です。本来は嫌な攻撃が、こちらにとっては準備になるという逆転が起きます。

ただし相手任せでは計算が立ちません。自前の手段は必ず用意しておきたいところ。

傷つけすぎない配慮

ダメカンが多くのると、そのポケモンは倒されやすくなります。条件は「のっている」だけなので、必要最小限にとどめるのが安全でしょう。

ベンチが倒されればサイドを渡すうえ、条件を満たすポケモンの数も減ります。自傷は打点のためであって、盤面を崩すためではありません。

ベンチの数を確保する

そもそもベンチに5匹並んでいなければ、最大値には届きません。展開を助けるカードを厚めに入れて、盤面を早く埋める設計が必要です。

番ごとの動かし方

実際の流れを組み立てます。

1番目の番

バケッチャをベンチに置き、他のたねポケモンも並べます。ベンチの数がそのまま打点の上限になるため、序盤の展開は最優先でしょう。

超エネルギーを1枚つけておけば、次の番からホラーロンドが撃てます。

2番目の番

パンプジンexへ進化させます。この時点でベンチの条件が整っていなければ、ゴーストタッチで140を出すか、条件作りに番を使うかを選びます。

ベンチを傷つける手段が手札にあるなら、先に使ってからワザを選んでください。ワザを使えば、その番はそこで終了です。

3番目以降の番

ベンチの条件を維持しながら、ホラーロンドで殴り続けます。倒されたベンチポケモンを補充すると条件が減るため、補充と自傷をセットで行う意識が要ります。

終盤の詰め方

相手のサイドが残り少なくなったら、あと何回攻撃すれば勝てるかを逆算します。280まで出る可能性がある以上、多くのポケモンが1発の射程に入るでしょう。

弱点と苦手な相手

強い数字を出せるカードにも穴があります。

悪タイプへの弱点

弱点が悪で×2なので、悪タイプのワザなら135ダメージで倒されます。HP270という数字も、弱点計算が入れば半分で済んでしまう計算です。

悪デッキが多い環境では、パンプジンexを場に出す枚数を絞る判断も必要でしょう。抵抗力が闘で-30ある点は、闘タイプの相手に対してわずかな余裕を生みます。

ベンチを回復されると困る

自分のベンチのダメカンが取り除かれると、条件が消えます。自分で回復手段を持っている場合、使うタイミングを間違えると打点が落ちる点に注意してください。

ベンチを狙われる展開

相手がベンチを積極的に倒してくると、条件を満たすポケモンが減っていきます。補充が追いつかなければ、ホラーロンドの数字は下がる一方でしょう。

展開が遅い相手

相手のベンチが育っていない序盤は、こちらも条件が整いにくい時期です。この段階ではゴーストタッチで凌ぐ形です。

相手のデッキ別の方針

2つのワザを使い分ける架空のゴーストのカード対戦

同じ構築でも、相手によって優先順位は変わります。

ベンチを狙ってくる相手

こちらの条件作りを相手が代行してくれる形です。ただし削られ続ければベンチが倒れるため、回復と補充の速度が追いつくかどうかが分かれ目でしょう。

倒される前に、そのポケモンを下げる判断も選択肢に入ります。条件を満たすポケモンを守ることが、そのまま打点を守ることになります。

高耐久の相手

280まで届く可能性がある以上、多くの相手を1発で倒せます。条件さえ整えられれば、耐久型のデッキに対しても押し切れる場面が出てくるでしょう。

展開が速い相手

こちらの準備が整う前に押し切られる展開が最も危険です。序盤はゴーストタッチで140を出しながら、ベンチを埋める作業を並行してください。

悪タイプが主軸の相手

最も厳しい相手です。135で倒されるため、殴り合いでは分が悪くなります。別のタイプのアタッカーを1枚入れておくと、無理に差し出さずに済むでしょう。

ベンチを維持する立ち回り

条件を保ち続けることが、このデッキの生命線です。

倒される順番を考える

ベンチのポケモンが倒されれば、そのぶん条件を満たす数が減ります。どのポケモンから狙われそうかを予想し、傷つける相手を選ぶ判断が要ります。

HPの低いたねポケモンを深く傷つけると、相手のベンチ攻撃で簡単に落とされてしまうでしょう。条件を満たすだけなら1個で足りるので、必要以上に削らないことが守りにもなります。

補充のタイミング

ベンチが倒されたら、新しいポケモンを出して条件を作り直します。この作業に1番かかると、その番の打点が落ちる計算です。出す作業と傷つける作業を同じ番にまとめられる構成にしておくと、停滞を防げます。

逃げるコストの管理

パンプジンexは無色2個ぶんです。倒されそうなときに下げたくても、エネルギーが足りなければ動けません。入れ替え用のグッズを数枚入れておくと、選択肢が増えるでしょう。

相手の呼び出しへの備え

ベンチにいるポケモンを引きずり出すカードを相手が使えば、傷ついたポケモンが前に出されます。そのまま倒されて条件が減るため、呼び出しへの対応も考えておきたいところです。

バケッチャを何匹置くか

進化させる分と、ベンチで条件を担う分の両方が要ります。3匹から4匹を目安に置いておけば、1匹倒されても計画が崩れにくくなるでしょう。

手札を切らさない工夫

展開手段と自傷手段の両方を毎ターン使うため、手札の消費が速くなります。山札を掘るサポートやグッズを厚めに用意しておかないと、途中で手が止まるでしょう。引く力がそのまま条件の維持力になるという理解で構築してください。

練習で確かめる3つの数字

感覚ではなく記録で改善点を探します。

何番目に進化できたか

10回まわして、平均で何番目にパンプジンexが立ったかを数えます。想定より遅いなら、バケッチャの枚数か山札を掘る手段が足りていないでしょう。

条件を満たしたベンチの平均数

ホラーロンドを撃つたびに、条件を満たすベンチが何匹だったかを記録します。平均が3匹に届いていれば、このデッキは狙いどおりに機能していると判断できます。

ワザの選択比率

ホラーロンドとゴーストタッチを何回ずつ選んだかを数えます。ゴーストタッチに偏っているなら、条件作りの手段を見直す余地があるでしょう。

デッキの組み立て方

構築を始めるときの出発点を示します。

進化ラインの枚数

バケッチャから1段階で完成するため、必要な枚数は少なく済みます。バケッチャを3枚から4枚、パンプジンexを2枚から3枚を目安に考えてみてください。

2匹目を立てられるかどうかで、倒された後の立て直しが変わります。

ベンチを埋めるカード

山札からたねポケモンを並べるカードがあれば、条件作りが速くなります。ベンチの数がそのまま打点に直結する以上、展開手段への投資は費用対効果が高いでしょう。

自傷手段の枚数

条件を能動的に作る手段は、1枚や2枚では引けません。3枚以上を目安に、確実に触れる構成にしたいところ。

エネルギーの構成

ホラーロンドは超1個、ゴーストタッチは超2個です。基本超エネルギーを主軸に据え、10枚前後から調整を始めてみてください。

大会に持ち込む前の確認

準備の最終段階です。

レギュレーションの確認

スタンダードで使えるのは、カード左下のマークにH・I・Jと書かれたカードで、この範囲は2026年1月23日から適用されています。同じカード名でも収録商品によってマークが異なるため、現物で確認してください。

枚数の確認

デッキはちょうど60枚、同じ名前のカードは4枚までという基本ルールを守ります。基本エネルギーは枚数制限の対象外です。

練習で数えること

ホラーロンドを撃つとき、条件を満たすベンチが何匹だったかを毎回記録してみてください。平均が2匹以下なら、自傷手段か展開手段が足りていない証拠でしょう。

自分を傷つける設計というジャンル

パンプジンexに限らず、自傷を条件にするカードは過去にも作られてきました。

共通する読み方

こうしたカードを見たときは、まず条件の粒度を確認します。ダメカンの有無だけを見るのか、個数を数えるのか、特定の枚数以上を求めるのか。この違いで、必要な自傷手段の規模がまったく変わります。

パンプジンexは有無だけを見る設計なので、軽い自傷で足りる部類でしょう。個数を数えるカードなら、もっと大きく削る手段が必要になります。

リスクとリターンの釣り合い

自分を傷つければ、そのポケモンは倒されやすくなります。得られる打点が、渡すサイドのリスクに見合うかを考える必要があるでしょう。

ベンチのたねポケモンを1匹傷つけて50ダメージ増えるなら、多くの場合は割に合います。逆にexポケモンを深く傷つけるのは、慎重に判断したいところ。

相手から見た厄介さ

対戦相手の立場では、こちらのベンチを削ることが裏目です。攻めどころが減るという意味で、相手の選択肢を狭める効果もあるわけです。

この点を理解していれば、自分が対策側に回ったときも判断を誤りません。パンプジンexと当たったら、ベンチを削らず本体を倒しにいく方針が基本です。

集めるときの視点

購入前に確認したい点です。

収録商品と絵柄

拡張パック「ニンジャスピナー」に収録されています。同じカード名でも通常の絵柄と特別な絵柄では相場が離れるため、購入前に商品画像とカード番号を確かめてください。

価格の調べ方

1店舗だけを見て決めるのは避けたいところ。複数のショップの販売価格を並べ、極端な値を外して中央あたりを相場と考えます。買取価格も一緒に見ると、実際の需要が読み取れるでしょう。

よくある質問

パンプジンから進化させることはできますか

できません。公式のカードページで進化の並びを見ると、パンプジンexはバケッチャから直接進化する1進化カードです。パンプジンとは横並びの関係にあり、そこから重ねる形ではありません。

ダメカンが1個でも条件を満たしますか

満たします。テキストは「ダメカンがのっている」としか書いていないため、数の指定はありません。10ダメージぶんのダメカンが1個あれば1匹として数えます。

バトル場のポケモンは数に入りますか

入りません。数えるのは自分のベンチポケモンだけです。パンプジンex自身がどれだけ傷ついていても、打点には反映されません。

ゴーストタッチで落とすカードは選べますか

選べません。テキストは「オモテを見ないで1枚選び」と書かれています。相手の手札の中身を確認したうえで狙い撃つことはできない仕様です。

パンプジンexは何枚入れるべきですか

2枚から3枚を目安に考えてみてください。1枚だと倒された後に立て直せず、4枚だと手札で重なる場面が増えます。実際に回して、2匹目を使った回数を数えると判断しやすくなるはずです。

初心者でも扱えるデッキですか

進化が1段階で済む点は扱いやすいものの、ベンチの状態を毎ターン数える判断が必要です。攻撃前に条件を満たすベンチの数を口に出して確認する癖をつけると、慣れが早まるでしょう。

自分のベンチを回復させると打点は下がりますか

下がります。ダメカンが取り除かれれば条件から外れるためです。回復手段を採用する場合は、使うタイミングを慎重に選んでください。

エネルギー1個で280は現実的ですか

ベンチ5匹すべてにダメカンがのっている状態が前提なので、簡単ではありません。3匹で180、4匹で230という水準を安定して出せれば、実戦では十分に強いと考えてよいでしょう。

パンプジンexという設計の面白さ

自分の傷を打点に変えるという発想は、ポケモンカードの中でも珍しい部類に入ります。普通なら避けたい状況を意図的に作りにいくため、構築も立ち回りも独特の形になるでしょう。

エネルギー1個で最大280という数字は魅力的ですが、条件を整えるための準備がそのまま構築の課題になります。ベンチを5匹並べ、それぞれにダメカンを1個ずつのせる。この状態を何番目の番で作れるかが、このデッキの実力を決めます。

条件が整わない場面ではゴーストタッチという安定した選択肢も残されています。2つのワザを盤面に応じて選び分けられるようになれば、このカードは十分に戦力になるはずです。