ポケモンカードのテキストには「ワザのダメージを受けない」と「ワザの効果を受けない」という、よく似た2つの表現が出てきます。読み飛ばすと同じ意味に見えますが、公式のルール上ではまったく別のものです。この違いを知らないまま守りのカードを使うと、防げると思っていた場面で通ってしまいます。逆に、通ると思っていた攻撃が止まることもあります。ここでは公式の上級プレイヤー用ルールガイドをもとに、2つの言葉の境目と、対戦中の判断の仕方を整理しました。順に見ていきます。

この記事で分かること

  • ワザを使う手順のどこでダメージと効果が分かれるか
  • ダメージ計算が行われる6つの段階
  • 「ダメージを受けない」と「効果を受けない」の差
  • ダメカンをのせる行為がどちらに入るか
  • 弱点と抵抗力が効果に含まれない理由

公式は手順の中で分けている

答えは手順書に書かれています。

ワザを使う手順は7段階

公式の上級プレイヤー用ルールガイドでは、ワザを使う手順が順番に定められています。この中で4番目がダメージ計算、5番目がダメージ以外の効果です。

つまりダメージと効果は、処理される場所そのものが違います。同じ番の中で、別の段階として扱われています。

順番は宣言から始まる

1番目はワザの宣言です。使うワザを決めて、相手に伝えます。口に出して伝えるところまでが手順の一部です。

2番目でワザを使うポケモンの状態を確認し、3番目に「ダメージを与える前に」と書かれた内容を処理します。

攻撃の後にも段階がある

6番目は、相手のポケモンがダメージを受けたときにはたらく効果です。7番目できぜつを確認します。攻撃はダメージを与えて終わりではなく、その後の処理まで含めて1つの手順です。

ダメージ計算は6段階に分かれる

4番目の中身を細かく見ます。

ワザのダメージそのもの

まずワザの名前の右に書かれた数字が基準です。「+」「×」「−」がついている場合は、説明文に従って変更します。この時点で0またはマイナスになったら、計算はここで終わります。

与える側が受けている効果

次に、ダメージを与えるポケモンが「ダメージを変更する効果」を受けているかを見ます。公式の文例に挙げられているのは、グッズ「パワープロテイン」です。

このカードは、自分のポケモンが使うワザの相手のバトルポケモンへのダメージを「+30」します。攻撃する側にかかっている修正は、弱点より先に処理されます。

弱点を計算する

ダメージを受けるポケモンの弱点タイプが、与える側のタイプと同じなら、ここで計算します。

抵抗力を計算する

続いて抵抗力です。抵抗力によってダメージが0またはマイナスになった場合、ここで計算が終わります。

受ける側が受けている効果

最後に、ダメージを受けるポケモンが「ダメージを変更する効果」を受けているかを見ます。ここでの公式の文例は、グッズ「アイアンディフェンダー」です。

このカードは、次の相手の番に自分のポケモン全員が相手から受けるワザのダメージを「-30」します。

最終的なダメージを決める

数字が確定したら、ダメージカウンターをのせます。この段階まで来て、はじめて盤面が動きます。

順番が結果を変える

ダメージと効果の境目を表すオリジナルビジュアル

段階が決まっている理由があります。

弱点の前か後かで数字が違う

たとえば130のワザに「+30」の修正がかかり、相手の弱点が×2だとします。修正が先なら160が2倍で320、弱点が先なら260に30を足して290です。

公式の順番では修正が先なので、前者です。順番を知らないと、計算が合わない場面が出ます。

途中で終わることがある

「×」や「−」で0以下になった場合、抵抗力で0以下になった場合、受ける側の効果で0以下になった場合。それぞれ、その時点で計算が終わると定められた形です。

声に出して確認する

対戦中は、段階ごとに数字を口に出すと行き違いが減ります。相手と同じ順番で計算していれば、結果は一致します。

「ダメージを受けない」と「効果を受けない」

ここが本題です。

2つは別の表現

カードのテキストには、両方の書き方が存在します。片方だけを持つカードと、両方を持つカードがあります。

公式の文例では、アバゴーラの特性「マイティシェル」が挙げられています。これは特殊エネルギーがついている相手のポケモンから、ワザのダメージや効果を受けないという内容です。

両方を止めるカード

ユキハミのワザ「かくれる」は、コインがオモテなら次の相手の番、このポケモンはワザのダメージや効果を受けないと書かれています。「ダメージや効果」と両方が明記されている点が重要です。

効果だけを止めるカード

ラウドボーンの特性「てんねん」は、「このポケモンは、相手のポケモンが使うワザの効果を受けない」です。ダメージという言葉が入っていません。

つまり、てんねんが働いていてもワザのダメージは通ります。止まるのはダメージ以外の部分だけです。

ダメカンをのせるのは効果

見落としやすい判定です。

公式が明記している

公式のルールガイドには、ワザの効果を受けない状態のポケモンに、ワザの効果でダメカンをのせることはできない、と書かれています。

つまり「ダメカンをのせる」という処理は、ダメージではなく効果に分類されます。

打点とダメカンは別物

ワザの右に書かれた数字はダメージです。一方、説明文に「ダメカンを◯個のせる」と書かれていれば、それは効果です。同じようにHPを削る行為でも、ルール上の扱いが違います。

対策が変わる

「ワザのダメージを受けない」状態でも、ダメカンをのせる効果は通ります。逆に「ワザの効果を受けない」状態なら、ダメカンをのせる効果は止まる関係です。

どちらの守りを用意するかは、相手のデッキによって変えることになります。

入れ替え効果も効果に含まれる

もう1つの実例です。

つきとばすは効果

ベイリーフのワザ「つきとばす」は、相手のバトルポケモンをベンチポケモンと入れ替えるものです。この入れ替えは効果に分類されます。

てんねんの前では通らない

公式のQ&Aでは、特性「てんねん」でワザの効果を受けないラウドボーンを例にしています。この状態では、つきとばすの効果でラウドボーンをベンチに下げられません。

ダメージは通るのに、入れ替えだけが通らないという状況が起きます。

プレイヤーに与える効果は別

同じ公式のQ&Aでは、ワザの効果を相手プレイヤーに与える場面を扱っています。相手の場にワザの効果を受けないポケモンがいても、その効果はプレイヤーに与えられます。

対象がポケモンなのかプレイヤーなのかで、判定が変わります。

弱点と抵抗力は効果ではない

弱点と抵抗力を別枠として扱う場面のオリジナルビジュアル

これも明記されています。

公式の注記

ルールガイドには、弱点・抵抗力の計算にかかわる説明文は「かかっている効果」ではありません、と書かれています。別の枠として扱われています。

弱点をなくす特性の例

公式の文例では、フラージェスの特性「ブルームガーデン」が挙げられています。自分のポケモン全員の弱点がすべてなくなるという内容です。

このとき、相手のワザで弱点を計算する場面でも、弱点は計算されません。

効果を計算しないワザとの関係

イワパレスのワザ「グレートシザー」は、相手のバトルポケモンにかかっている効果を計算しないと書かれています。しかし弱点や抵抗力は「かかっている効果」ではないため、この記述では消せません。

「関係なく」の書き分け

公式のQ&Aにも判断材料があります。

2つの書き方がある

公式のQ&Aでは、2つの表現を比較しています。1つは「弱点・抵抗力・すべての効果に関係なく」です。もう1つは「抵抗力・すべての効果に関係なく」です。

前者はすべて無視する

「弱点・抵抗力・すべての効果に関係なく」と書かれている場合、弱点も抵抗力も相手にかかっている効果も、すべて計算しません。書かれた数字がそのまま通ります。

後者は弱点だけ計算する

「抵抗力・すべての効果に関係なく」と書かれている場合は、ダメージの計算のときに弱点の計算のみを行います。1語の有無で結果が変わるので、テキストは最後まで読んでください。

ダメージを変更する効果の例

数字を動かすカードを整理します。

与える側を上げる

グッズ「パワープロテイン」は、この番に自分のポケモンが使うワザの、相手のバトルポケモンへのダメージを「+30」します。

与える側を下げる

ミミロルのワザ「あまえる」は、次の相手の番、このワザを受けたポケモンが使うワザのダメージを「-20」します。相手の攻撃力そのものを下げる形です。

受ける側を下げる

バッフロンexの特性「アフロガード」は、このポケモンが受けるワザのダメージを「-30」します。自分のHPを増やすのではなく、入ってくる数字を減らす発想です。

受ける側を上げる

ドクロッグのワザ「とびこみアッパー」は、次の相手の番、このポケモンが受けるワザのダメージを「+50」します。自分が受ける数字を増やす代わりに、別の利点を得る設計です。

スタジアムでも変わる

スタジアム「いしのどうくつ」は、おたがいの「ダイゴのポケモン」全員が相手のポケモンから受けるワザのダメージを「-30」します。場のカードでも数字は動きます。

対戦中の確認手順

判断を早くする方法です。

相手の場をすべて読む

攻撃を宣言する前に、相手のバトルポケモン、ベンチ、スタジアム、道具を確認します。ダメージを変更する効果は、どこに書かれていても働きます。

「ダメージ」の語を探す

テキストに「ダメージ」と書かれていればダメージ側、書かれていなければ効果側と考えるのが出発点です。迷ったら、公式のルールガイドで該当の項目を確認してください。

相手と数字を合わせる

計算結果が食い違ったら、段階ごとに戻って確認します。順番が決まっているので、どこで差がついたかは特定できます。

デッキを組むときの考え方

守りのカードを選ぶ基準です。

相手のデッキで選ぶ

打点で押してくる相手なら「ダメージを受けない」側、ダメカンや入れ替えで崩してくる相手なら「効果を受けない」側です。両方を止めるカードは、その分だけ条件が厳しいことがあります。

数字を減らすか、止めるか

「-30」のように減らす効果は、常に働く代わりに大きな攻撃は防げません。完全に止める効果は強い代わりに、条件やコインが絡むことがあります。

自分の攻撃が止まらないか確認する

相手が「効果を受けない」状態を作ってきたとき、自分のデッキが効果に依存していると手が止まります。ダメージで押す手段も残しておくと安全です。

特殊状態はどこに入るか

もう1つの分類です。

ワザの説明文で与えられる

どく、やけど、ねむり、マヒ、こんらん。これらはワザの説明文によって与えられます。打点の数字とは別に書かれている部分です。

ポケモンチェックで処理する

特殊状態の多くは、番の終わりのポケモンチェックで処理されます。ダメージ計算の6段階とは別のタイミングです。

効果を受けない状態との関係

「ワザの効果を受けない」状態のポケモンに、ワザで特殊状態を与えられるかは、テキストと公式の記載で判断してください。相手と認識が食い違いやすい場面です。

ベンチに下がると解ける

公式のルールガイドでは、ベンチにもどることでバトルポケモンが受けていた特殊状態やワザの効果がなくなると説明されています。入れ替えは、状態を解除する手段でもあります。

進化でも効果が消える

同じ扱いの処理があります。

進化したときの扱い

公式のルールガイドには、バトルポケモンが進化したとき、進化する前に受けていた特殊状態やワザの効果がなくなると書かれています。

ダメカンは残る

ここが分かれ目です。効果は消えても、のっているダメカンはそのまま残ります。進化してもHPの減りは回復しません。

使い分けの判断

相手から動きを止める効果を受けたとき、進化させるか、ベンチに下げるかで解除できます。どちらも手数を使うので、どこで解除するかは計算しておいてください。

数字を減らす効果の重ね方

複数のカードが同時に働くこともあります。

減らす効果は積み上がる

受けるダメージを「-30」する効果が2つ働いていれば、合計で60減る計算です。どこに書かれているかは問いません。

特性・道具・スタジアム

特性で減らすもの、道具で減らすもの、スタジアムで減らすもの。公式の文例には、この3種類がすべて出てきます。

0以下になれば止まる

受ける側の効果でダメージが0またはマイナスになった場合、その時点で計算は終わります。ダメカンはのりません。

相手の場を数える習慣

攻撃を宣言する前に、減算の要素が何個あるかを数えてください。数え漏らすと、倒せると思った相手が残ります。

「かかっている効果」を無効にするカード

攻撃側にも手段があります。

グレートシザーの例

公式の文例では、イワパレスのワザ「グレートシザー」が挙げられています。このワザのダメージは、相手のバトルポケモンにかかっている効果を計算しません。

つまり相手の「-30」を無視して、素の数字を通せます。

弱点・抵抗力は別枠のまま

ただし、この記述で弱点や抵抗力は消せません。公式が「弱点・抵抗力の計算にかかわる説明文はかかっている効果ではない」と注記しているためです。

対象がバトルポケモンに限る場合

テキストに「相手のバトルポケモンにかかっている効果」と書かれていれば、ベンチのポケモンは対象外です。範囲の指定まで読んでください。

攻撃を宣言する前のチェック

実戦での順序をまとめます。

自分のワザのテキストを読む

数字だけでなく、説明文の後半まで読みます。「ダメージを与える前に」と書かれていれば、先に処理する内容があります。

相手の場のテキストを読む

バトルポケモン、ベンチ、道具、スタジアム。ダメージを変更する要素と、効果を止める要素の両方を探します。

自分の場の修正を確認する

自分にかかっている「+30」や「-20」も計算に入ります。前の番に受けた効果が残っていないか確かめてください。

数字を口に出す

段階ごとに数えると、相手と結果が一致します。食い違ったときも、どこで差がついたかを特定できます。

覚え方の目安

細かい判定を覚えきれない場合の指針です。

「ダメージ」の語があるかで分ける

テキストに「ダメージ」と書かれていればダメージ側、書かれていなければ効果側。この基準で大半の場面は判断できます。

迷ったら両方止まると考えない

「効果を受けない」だけの記述で、ダメージまで止まると考えるのが典型的な誤りです。片方だけと覚えておくほうが安全です。

判定に困ったら確認する

公式のルールガイドとQ&Aで探します。それでも分からなければ、対戦相手と合意してから進めてください。大会なら、判定を求める窓口があります。

よくある質問

短くまとめます。

ダメカンをのせるのはダメージですか

効果です。公式のルールガイドでは、ワザの効果を受けない状態のポケモンにダメカンをのせることはできないと説明されています。

「効果を受けない」ならダメージも防げますか

防げません。ダメージという言葉が書かれていなければ、ダメージは通ります。テキストに「ダメージや効果」と書かれているかを確認してください。

弱点は効果に含まれますか

含まれません。公式は、弱点・抵抗力の計算にかかわる説明文は「かかっている効果」ではないと明記しています。

修正と弱点はどちらが先ですか

与える側の修正が先で、その後に弱点を計算します。公式のダメージ計算の順番に従ってください。

特殊状態は効果ですか

特殊状態は、ワザの説明文によって与えられます。ダメージ計算とは別の段階で処理される部分です。

迷ったらどこを見ればよいですか

公式の上級プレイヤー用ルールガイドと、ルール・カード別Q&Aです。該当する項目が見つからない場合は、対戦相手と認識を合わせてから進めてください。

言葉の境目を覚えておく

ポケカのテキストは、「ダメージ」と「効果」を意識的に書き分けています。ワザを使う手順では4番目がダメージ計算、5番目がダメージ以外の効果です。この分かれ目を知っていれば、カードの守りがどこまで届くかを読めます。

覚えておきたいのは3点です。ダメカンをのせるのは効果、入れ替えも効果、弱点と抵抗力はどちらでもない別枠。この3つを押さえるだけで、対戦中の判断はかなり正確になります。

そのうえで、ダメージ計算の6段階を順に処理する習慣をつけてください。相手と同じ順番で数えていれば、結果が食い違うことはありません。