アンノーンのデッキと聞いて、手札を35枚まで増やす構築を思い浮かべた方は多いはずです。相手を倒さずに勝つという発想は、一度見たら忘れられません。ただし、その構築が今も大会で使えるかどうかは別の話です。この記事では、特殊勝利の仕組みを正確に押さえたうえで、公式が示した扱いを確認します。今も組める構築と、必要なカードの集め方までを整理しました。
遊ぶ場を先に決めれば、必要なカードを無駄なく選べます。集める順番も整理できます。
この記事で分かること
- アンノーンデッキと呼ばれる構築の種類
- 手札35枚とダメカン66個という勝利条件の中身
- 公式大会で使えるかどうかの判断基準
- アンノーンVSTARを軸にした構築の考え方
- 今から組む場合の手順とカードの集め方
アンノーンデッキが指す構築の種類
アンノーンのデッキは、大きく2つの系統に分かれます。ひとつは特殊な勝利条件を満たして勝つ構築、もうひとつはアンノーンVSTARの効果を使って戦う構築です。どちらを指しているかで、必要なカードも遊べる場所も変わります。
前者は、相手のポケモンを倒すという通常の勝ち方をしません。決められた条件を満たした瞬間に勝ちが決まるため、対戦の組み立て方そのものが違います。話題になりやすいのはこちらの系統です。
後者は、通常の対戦の枠内で戦います。相手の弱点を書き換えるという珍しい効果を軸に、打点を伸ばす構築です。特殊勝利ほどの派手さはありませんが、対戦としての完成度は高くなります。
もう1点、アンノーンはこれまでに多くの種類がカード化されてきました。アルファベットごとに別の効果を持つカードが存在し、古い時代のカードも数多くあります。デッキ名だけでは中身が特定できないため、どのアンノーンを指しているかを確認する習慣をつけてください。
特殊勝利を狙うアンノーン2種類
特殊勝利型の中心にあるのは、拡張パック「超爆インパクト」に収録された2枚のアンノーンです。どちらもHPは60で、ワザは10ダメージの「めざめるパワー」だけです。勝負を決めるのは、ワザではなく特性のほうにあります。
特性「HAND」の勝利条件
1枚目の特性は「HAND」です。効果は「このポケモンがバトル場にいるなら、自分の番に1回使える。自分の手札の枚数が35枚以上なら、この対戦は自分の勝ちになる」と書かれています。
条件は2つあります。バトル場にいることと、手札が35枚以上あることです。ベンチに置いたままでは使えないため、HPが60しかないポケモンを前に出し続ける必要があります。ここが実戦での最大の難所です。
なぜ前に出し続ける必要があるかというと、相手はそれを狙って攻撃してくるからです。狙いが読まれた時点で、こちらは倒されない工夫を求められます。守りのカードをどれだけ積めるかが、成立するかどうかの分かれ目です。
35枚という数字も、通常の対戦ではまず到達しません。デッキが60枚である以上、山札の半分以上を手札に抱える計算です。ドローを重ねるカードを大量に採用し、手札を減らさずに増やし続ける組み立てが求められます。
特性「DAMAGE」の勝利条件
もう1枚の特性が「DAMAGE」です。効果は「このポケモンがバトル場にいるなら、自分の番に1回使える。自分のベンチポケモン全員にのっているダメカンの数が66個以上なら、この対戦は自分の勝ちになる」と書かれています。
注目したいのは、数えるのが自分のベンチポケモンである点です。相手ではなく自分の場に、ダメカンを66個以上のせなければなりません。自分のポケモンを傷つけながら勝利条件に近づくという、通常とは逆の発想です。
この条件が成立しにくい理由も、数え方にあります。バトル場のポケモンにのったダメカンは数に入りません。前で受けたダメージは条件に寄与しないため、後ろに意図的に配る手段が必要です。
ダメカン1個は10ダメージにあたるため、66個は660ダメージ分に相当します。ベンチのポケモンをきぜつさせずに、これだけのダメカンを保持する必要があります。ダメージを移動させる効果や、HPの高いポケモンを並べる工夫が前提です。
2種類の共通点と違い
2枚を並べると、共通しているのは3点です。バトル場にいることが条件で、自分の番に1回だけ使え、条件を満たした瞬間に勝ちが確定です。ワザもHPも同じであるため、デッキの守り方は共通します。
違うのは、積み上げる対象です。HANDは手札の枚数、DAMAGEは自分のベンチにのったダメカンの数を数えます。同じ勝ち方に見えて、必要なカードはまったく別です。
どちらを目指すかで、集めるカードの方向も変わります。手札を増やす効果に寄せるのか、ダメージを自分の場に配る効果に寄せるのかを、最初に決めてください。
公式大会での扱いを先に確認する

ここが記事のなかで最重要の部分です。ポケモンカードゲーム公式は、エクストラレギュレーションで使用できないカードを個別に指定しています。2019年8月9日付の告知では、2019年9月1日から「アンノーン(SM8 特性HAND)」が使用できなくなると発表されました。
同じ告知のなかで、それ以前から使用できないカードとして「アンノーン(SM8 特性DAMAGE)」も挙げられています。つまり、特殊勝利を狙う2枚は、どちらも公式のエクストラでは使えません。
スタンダードについても答えははっきりしています。2026年1月23日から、スタンダードで使えるのはカード左下のマークがH・I・Jのカードだけです。「超爆インパクト」は「サン&ムーン」シリーズのため、この範囲に入りません。
では遊べないのかというと、そうとは限りません。使用できるカードの範囲を主催者が決める自主大会や、身内での対戦であれば、事前の合意があれば楽しめます。参加する場のルールを先に確認するのが前提です。禁止指定は随時更新されるため、最新の一覧は公式のレギュレーションページで確かめてください。
アンノーンVSTARを軸にした構築
公式大会を視野に入れるなら、選択肢はアンノーンVSTARです。拡張パック「パラダイムトリガー」に収録されたカードで、通常の対戦の枠内で戦えます。
スターサイファーの効果
アンノーンVSTARのVSTARパワーは、ワザ「スターサイファー」です。使うと、場をはなれるまで「相手の場のポケモン全員の弱点は、すべて超タイプになる」という特性を持ちます。VSTARパワーは1試合に1回だけという制限つきです。
この効果の価値は、弱点による倍率にあります。弱点を突いたワザのダメージは2倍として計算されるため、本来なら届かない相手にも一撃で届く場面が生まれます。相手のタイプに関係なく倍率をかけられる点が、他にない性質です。
もう1つ押さえたいのは、効果の対象が相手の場全員である点です。狙った1体だけでなく、ベンチのポケモンも含めて弱点が超タイプに変わります。攻撃先を切り替えても倍率が続くため、詰めの選択肢が広がります。
使うタイミングは慎重に選んでください。使えるのは1試合に1回だけで、アンノーンVSTARが場をはなれれば効果も終了です。倒したいポケモンが場に出てから使うほうが、無駄になりません。
相方に選ぶポケモンの条件
組み合わせる相手は、超タイプのアタッカーが中心です。弱点を超に変えたところで、こちらが超タイプのワザで攻撃できなければ倍率は乗りません。ここを外すと、効果が空振りします。
もうひとつの条件は、打点の刻み方です。倍率が乗ることを前提にすると、素のダメージが控えめなワザでも十分な数字に届きます。エネルギーの要求が軽いアタッカーを選べば、動き出しの速さと火力の両立も可能です。
ベンチの枠にも注意してください。アンノーンVからアンノーンVSTARへ進化させる工程が必要なため、序盤に1枠を確保しておく必要があります。準備が間に合わないと、切り札を使わないまま試合が終わります。
過去のアンノーンとカードの探し方
アンノーンはアルファベットごとに別のカードとして登場してきました。同じ名前でも効果は別物で、古い時代のカードには独自の役割を持つものが多いところです。デッキを調べていて名前だけが出てきたときは、収録パックまで確認してください。
探すときに便利なのが、公式のカード検索です。カード名で絞り込み、収録パックとレギュレーションマークを見れば、使える範囲がその場で分かります。中古で買う前にここを見ておくと、買い直しを避けられます。
古いカードを使う場合、注意点がもう1つあります。当時のルールと現在のルールでは、処理の考え方が違う部分がある点に注意してください。判断に迷ったときは、公式が公開しているルールの資料やQ&Aで確認するのが確実です。
アンノーンデッキの回し方
系統によって回し方はまったく違います。それぞれの手順を分けて確認しておくと、構築を組むときの判断がぶれません。
特殊勝利型の手順
特殊勝利型は、序盤から手札やダメカンを増やす作業に集中します。相手のポケモンを倒す必要がないため、攻撃はほぼ行いません。代わりに、条件を満たすまで生き延びる組み立てが求められます。
鍵になるのは、アンノーンをバトル場に置くタイミングです。その番にバトル場へ出せていなければ、特性は使えません。前の番のうちに入れ替え手段を確保しておく必要があります。
もう1点、相手の妨害への耐えかたです。手札を減らされたり、特性を止められたりすると、積み上げた準備が一度に崩れます。妨害を受けた場合にどう立て直すかを、あらかじめ決めておいてください。
アンノーンVSTAR型の手順
VSTAR型は、通常の対戦と同じ流れで進みます。序盤にアンノーンVを場に出し、進化させ、相方のアタッカーを準備します。ここまでは一般的なデッキと変わりません。
分岐点は、スターサイファーを使う番です。相手の主力が場に出て、こちらの攻撃が届く準備が整った瞬間に使います。早すぎると効果が無駄になり、遅すぎると試合が決まってしまいます。
使ったあとは、倍率が乗っているうちに攻撃回数を稼ぎます。アンノーンVSTARが倒されると効果も終わるため、守り方も含めて計画を立ててください。
アンノーンデッキの弱点と対策

どちらの系統にも、避けにくい弱点があります。構築段階で対策を入れておけば、負け方の再現を減らせます。
特殊勝利型で痛いのは、HPの低さです。アンノーンのHPは60しかなく、バトル場に出た瞬間に倒される危険があります。入れ替え手段と回復手段のどちらを厚くするかを決めておいてください。
山札切れも見落とされがちな負け筋です。手札を増やす構築は、その分だけ山札が減ります。条件に届く前に山札がなくなれば、そこで負けが決まります。何番目までに達成するかを、逆算しておいてください。
特性を無効にするカードも大きな障害です。特性が止まれば、勝利条件そのものが消えます。相手の場に該当するポケモンが出た場合に、どう処理するかを想定しておく必要があります。
VSTAR型の弱点は、VSTARパワーが1回しか使えない点です。使いどころを外すと、そのまま巻き返せません。加えて、アンノーンVの段階で倒されると進化先が腐ります。展開の速い相手に対しては、進化を急ぐか耐えるかの判断が問われます。
今からアンノーンデッキを組む手順
必要な作業は3つです。無駄な出費を避けるためにも、順番どおりに進めてください。
遊ぶ場とルールを決める
最初に決めるのは、どこで遊ぶかです。公式のスタンダードなのか、エクストラなのか、主催者が範囲を決める自主大会なのかで、選べるカードが変わります。ここを飛ばすと、使えないカードを買ってしまいます。
特殊勝利型を試したい場合は、参加する場の主催者に事前確認してください。公式の禁止指定があるカードを使うかどうかは、その場の合意しだいです。
必要なカードを揃える
遊ぶ場が決まったら、必要な種類と枚数を書き出します。アンノーンVSTARを使うなら、アンノーンVとアンノーンVSTARを進化ラインで揃え、超タイプのアタッカーを別途用意します。
購入は単品で買うほうが確実です。古いパックのカードは、パックそのものが店頭に並んでいない場合があります。カードショップの通販で名指しに買うほうが、時間も総額も有利です。
回して調整する
揃ったら、実際に回して枚数を調整します。特にドロー手段の枚数は、想定と実際でずれやすい部分です。3回ほど回せば、足りないカードと余るカードが見えてきます。
調整の記録は残しておいてください。あとから枚数を戻したくなったときに、判断の根拠が手元にあると助かります。
練習で確認する項目
組んだあとは、勝ち筋に到達する確率を自分で測ってください。5回まわして条件に届いたのが何回かを数えるだけでも、構築の完成度は明らかです。感覚ではなく回数で判断するほうが、修正の方向を間違えません。
届かなかった回は、原因を1つに絞って書き出します。カードが足りなかったのか、倒されて続かなかったのかで、直す場所は変わります。原因が分かれば、入れ替えるカードも自然に決まります。
アンノーンのカードを集めるときの見方
アンノーンは種類が多く、価格の幅も広いポケモンです。目的をはっきりさせてから探すほうが、選ぶ基準も明確です。
対戦で使うなら、レアリティは問いません。効果はレアリティで変わらないため、通常版で十分です。必要な枚数を最短で揃えるほうが、結果として満足度は高くなります。
複数枚そろえるかどうかも、目的で変わります。対戦で使うなら、引ける確率を上げるために複数枚が基本です。飾る目的なら1枚で足ります。同じカードでも、必要枚数が4倍変わる場合があります。
集める目的なら、話題性のあるカードが候補です。特殊勝利という珍しい効果を持つカードは、対戦で使えなくなったあとも収集の対象です。値動きの理由が対戦人気ではない点は、押さえておくと判断しやすくなります。
購入前に見ておきたいのは、販売価格と買取価格の差、そして状態表記です。古いカードは状態の差が価格に出やすく、写真だけでは判断が難しい場合もあります。返品の条件まで確認しておけば安心です。当サイトのカード別ページでは、ショップごとの価格を並べて比べられます。
対戦相手として当たったときの対策
自分が使う側でなくても、対策の考え方を知っておくと役に立ちます。特殊な勝ち方をするデッキは、対処の方向が通常と違います。
特殊勝利型に対しては、時間をかけないことが最大の対策です。条件を満たすまでには番数が必要であり、それより早くサイドを取り切れば勝ちです。相手の準備を眺めている余裕はありません。
もう1つは、特性を止める手段です。特性が使えなければ勝利条件は成立しません。1枚採用しておくだけで、相性が大きく変わる相手もいます。
アンノーンVSTAR型に対しては、進化前を狙う形が有効です。アンノーンVの段階で倒せば、切り札は場に出ません。ベンチの並びを観察し、危険なポケモンから処理する判断が生きてきます。
アンノーンデッキに関するよくある質問
残りやすい疑問を、質問形式でまとめます。
アンノーンの特殊勝利は今も使えますか。公式が指定した使用できないカードに含まれているため、公式のエクストラでは使えません。主催者が範囲を決める場であれば、事前の合意によって遊べる場合があります。
手札を35枚まで増やすのは現実的ですか。通常のドローだけでは届きません。手札を増やす効果を持つカードを大量に採用し、手札を減らさない構築にする必要があります。
アンノーンVSTARはスタンダードで使えますか。「パラダイムトリガー」は「ソード&シールド」シリーズのため、現在のスタンダードの範囲には入りません。エクストラであれば使えます。
弱点を超タイプに変えたら2倍になりますか。弱点を突いたワザのダメージは2倍として計算されます。ただし、こちらが超タイプのワザで攻撃していることが前提です。
初心者でも組めますか。アンノーンVSTAR型なら、通常の対戦の流れで扱えます。特殊勝利型は必要なカードが多く、練習量も要ります。2つ目以降のデッキとして考えるのが現実的です。
アンノーンデッキの現在地と次の一手
アンノーンデッキには、特殊な勝利条件を狙う系統と、アンノーンVSTARで弱点を書き換える系統があります。特殊勝利の2枚は公式が使用できないカードとして指定しており、公式大会では組めません。一方でアンノーンVSTARは、エクストラであれば今も選択肢に入ります。
珍しい勝ち方に惹かれて調べ始めた方ほど、使える場の確認で足が止まりがちです。先に条件を押さえてしまえば、あとは形にするだけです。
次にやることは、遊ぶ場を決めることです。公式大会を目指すのか、身内やショップの自主大会で楽しむのかが決まれば、買うべきカードは自然に絞られます。必要な枚数が見えたら、当サイトの価格ページで販売価格を比べ、状態と在庫を確認してから注文してください。
